槍ヶ岳ー奥穂高縦走  第4日目 平成21年9月22日

穂高山荘(0625h)ー涸沢ヒュッテ(0840)ー横尾(1110h)−河童羽橋(1340h)ー上高地(1300h)


雨の涸沢  ザイテングラートを涸沢に下りる   ところでザイテングラートって何?  ドイツ語で「支稜」の意味


4日目の行程  この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである 

朝起きる(?)と外は霧雨が降っていた。視界は悪くこんな日は士気が下がるものだ。おじょもさん達は未明に奥穂高まで
行って様子を見ると言ってたがこの天気では西穂へは無理やろうなあ。部屋のみんながもう出発したが、我々はもう下山
しかないのでのんびりと準備する。

06時23分霧と小雨の中、穂高山荘を出発する。霧で辺りは何も見えない。ザイテングラートを涸沢に下っていく登山者が
鈴なりとなり、細い岩尾根の登山道なので急いだ所で先には進めない。

こんな天気にもかかわらず涸沢からの登山者が登って来るので至るところで渋滞する。時々す〜〜っと霧が引いて涸沢への
岩尾根の筋が良く見える。ザイテングラートなどとドイツ語で大げさな名前が付いているが、傾斜も危険度も何という事もない
ハイマツの岩尾根ルートだった。 でもこれをこんな悪い天気に登る登山者はさぞ足が重かろう。

 
    12人が泊まった夢のあと                      穂高山荘前の石畳

 
      霧雨のザイテングラートを下る                   涸沢が少し姿を現す



      涸沢の中央部に飛び出た岩尾根がザイテングラートという訳


 
     紅葉が始まっている                     岩尾根やから岩が多いのは当然


 
  ミヤマダイコンソウの葉が紅葉している            これは富士山にも沢山あったタデ科の黄葉


  
     これはミヤマオトコヨモギだったような            雨に濡れるチングルマ

高山植物の草もみじ帯が現れたると共にザイテングラートは終わりを告げ、0800時礫地を南側に大きく横断する。傾斜は
緩やかなので落石の危険も無いと思われる。ナナカマドの低木が現れ辺りを紅く染める。岩原を南に渡り切るとそこから西側へ
と下って行く。

08時20分大きな雪渓が現れ、登山ルートがこの雪渓を横切る事になっていた。 いきなりの雪渓に滑って転げた。霧で何とか
この失態は誰にも見られていない様だ。


 
ザイテングラートが終わると岩原を大きく右に横切る        横切りの最後はナナカマドの林となる
  

 
       黄葉のグラデュエーション                      秋は赤い実が多い 

 
      雪渓が残っている                       アオノツガザクラ

 
     霧でルートがわかりにくい                       涸沢ヒュッテに到着

08時38分 涸沢ヒュッテに到着。ヒュッテの屋根下には沢山の登山客が雨を避けてごった返している。こちらは小雨に濡れ
ながらコーヒーをテラスに持ち込み、優雅(?)に霧で見えない幻の絶景を想像し暖かい液体を体内に流し込む。

マーシーさんはこの寒い中、この山行で何度目かの缶ビールを開け、研治は信州リンゴをかじる。動かなければ寒いので
09時過ぎに霧に包まれた涸沢を後にする。

  
     雨の涸沢ヒュッテ    テラスには誰も出ていない

 
とほほ これが憧れの涸沢ヒュッテのテラスで優雅に飲むコーヒー?  こちらは ビールとリンゴ


               涸沢には天気が悪いにもかかわらず沢山のテントが並ぶ 

 
     長い横尾への登山道                              ツリバナですか

涸沢から横尾分岐までは最初は涸沢(谷筋)、横尾本谷分岐からは横尾谷にそって快適な登山道が付いている。傾斜は
比較的緩やかなのだがいかにも長い。おまけに大勢の団体登山者が前に繋がっている。この悪天候にもかかわらず下から
も沢山の登山者がやってくる。

10時20分、本谷橋を渡る。付近には沢山の休憩者が川原であちこちに群れている。橋を渡ってここからは横尾谷の右岸
(左側)に沿って更に快適な登山道が続く。谷を挟んで右手に大岩が木々の間から現れた。これが屏風岩だ。おじょもさん達は
3日前新村橋からこの岩山の上=屏風のコルを経由してパノラマコースを涸沢ヒュッテに至ったのだ。

10時53分標識のある横尾岩小屋跡を通過、11時10分横尾大橋を渡る。
 
  
   涸沢(谷筋)の紅葉はまだ早い                      本谷橋を渡る



                        迫力ある屏風岩


  
   横尾岩小屋跡   10時53分                     横尾大橋  11時10分

横尾大橋を渡れば横尾山荘前の広場にザックを下ろして休憩する。マーシーさんと研治は横尾山荘の中に入ったが、私は
行動食が沢山余っていたのでそれを胃の中に処分する。

1時間歩いて徳沢園に着く。先を歩いていた研治とここで合流。美しい林と小川にかこまれた空間には登山者だけではなく
多くの観光客も家族連れで訪れている。3度目の上高地遊歩道を少々退屈しながら歩き13時40分河童橋に到着。
橋の上は観光客で溢れていた。

バスターミナルに着いて、タクシー乗り場へ向かうとタクシー会社の方から「平湯への帰り車があるので乗りませんか?」と
声がかかった。シメタ! 渡りにタクシーやんけ  値段も行きしより安いときたもんだ。担当の女性ドライバーと4日前の出来事
(=平湯からタクシーに声をかけられて相乗りをし、さんざん政治の矛盾話をドライバーから聞かされた事)を話すと、その
運転手は毎回お客さんにそんな愚痴を言って有名らしい。

お陰でバスでの窮屈な思いもせず、平湯駐車場までタクシーで帰る。

 
     ここまで帰ればもう上高地は近い                             徳沢園

 
             上高地                           上高地遊歩道 

 
         河童橋は観光客で混雑                    いつもの信州自然薯定食で無事を祝う

平湯のアカンダナ駐車場にタクシーで帰り、さっそく前回行った平湯温泉の老舗ホテルで1000円の入浴料を支払って温泉に
つかる。人間やっぱり風呂に入らなければ生きていけない。上から下までキレイサッパリして、これも前回行った自然薯和風
レストランでネバネバした元気の出そうな山芋定食を食す。

今回の北アルプスは3日間天気に恵まれ本当に素晴らしい槍ヶ岳と穂高縦走を楽しむ事ができた。
同行のマーシーさん、車を出してくれた研治 お疲れさんでした。  今度は西穂〜奥穂縦走かもね